--- この赤いテネシーローズで ---

 

「生まれてこなければ良かった」と
毎日ぼやいてる僕は
結局人生が楽しくて
仕方ないんだろう どうしようもないんだろう

思えば人を傷つけてばかりだったなんて
ありきたり過ぎて同情さえも誘えやしない
「みんなに優しくすること」
そんな綺麗事には唾でも吐きかけようか

価値観は多様だなんて言うけど
そんなことないよ 正しさは確かに存在してる
だから僕はこの憎しみを正義という言葉に置き換えて
全ての物を裁いて見せようか

あぁ このままじゃいけないのは
あぁ 何よりも選民意識
ほら 君の中にも存在してる

君の心の中のヒトラーを殺せ
いつの間にか忘れるような形じゃ許せないよ
君のその美しい笑顔に
硫酸をぶちまけるくらいじゃないと
許さないよ
救えないよ
愛せないよ


大人になってよく「翼を無くした」なんて言うけど
大人になってよく「夢を失った」なんて言うけど
それはただ痛みを覚えただけのことさ
その代償にリアルを手に入れたんだから
大人になった僕は何処にでも行ける
心は自由に、自由に、もっともっともっと自由に


僕の兄貴は海の見えるあの街の工場で
一日中身を粉にして働いてる
僕も車の免許が取れたんだ
だから
兄貴をどこか遠くへ連れて行ってあげたい
あそこではない何処かへ

あぁ 囁き声が聞こえる
ほら まだ陰口を叩かれているんだ
誰よりも 彼の心は純粋なのに

君の心を蔑む奴らなんか
僕が皆殺しにしてあげるから
君のその美しい心に
影を落とすような真似は
許さないよ
血塗れになって
償ってもらうよ


失う前から気付いてたよ
君のことが大事だってことなんて
「生活に押し潰される愛なんてご免だ」なんて
あのころの僕はよく言えたものだね
乗り越えることを恐れた僕は
結局あの12弦ギターを残して君の部屋を去ることになる
君はそんな僕に
「愛なんてはじめから無かったんだね」って言ったんだ
僕はあのときそれに何も答えてあげることができなくて
でも

あぁ 今なら君のこと
愛してると言い切れる
正しさという概念で君も僕も裁くから

僕の心の中のヒトラーを殺すよ
この傷口を抉った先にきっといるはず
僕の右手と喉と心の傷に
硫酸をぶちまけて心の中のヒトラーを殺すよ

君に今降り注ぐこの哀しみが
誰にも許されることなく続いてる
ねぇHONEY 僕の心を傷つけてよ
僕はそんな君の欲望を愛と呼ぶ

愛してるよ こんなに頭がおかしくなるほど
愛してるよ 綺麗な言葉じゃ飾れやしないけど
君に降り積もり続ける絶望を拭うよ
僕のこの赤いテネシーローズで